歯学博士の「歯」と「身体」のお話
むし歯になりやすい子・なりにくい子
こんなご相談がありました。
「うちの子どもは1日に歯を2回は磨かせているのに、むし歯ができてしまいました。近所のお友達で、あまり歯を磨かないのに、ほとんどむし歯や歯肉炎が発生しない子がいます。うちの子とその子と何が違うのでしょうか?」
一生懸命、お子さんの歯を大切にしようと頑張っていらっしゃるのに、むし歯ができてしまうとさびしい気持ちになってしまいますよね。
むし歯というのはなりやすい・なりにくいという体質もありますし、歯みがきをしていてもそのタイミングによって、少し効果が変わってくる場合があります。
歯みがきのタイミングが大切!
むし歯や歯肉炎にならないために、歯みがきをきちんとすることは大切な習慣です。しかし、残念ながら、歯みがきさえしていれば大丈夫、というものではないのです。
むし歯の発生は、甘いモノ(砂糖)の食べ方、食べた後の処置といった日常の生活習慣が影響します。できるだけむし歯になりにくいようにするためには、
(1)時間と量を決めておやつを与える。
(2)食べた後は必ず歯みがき。無理ならせめてうがいをする。
この2点が大切です。
1日3回の食事の時だけでなく、おやつの時や寝る前の間食のときなども、食べっぱなし、飲みっぱなしということはないように気をつけましょう。
むし歯になりにくい子は何が違う?
むし歯になりやすい子、なりにくい子、というのは確かにいます。ご相談されたお母さんの近所の子どもさんのように虫歯になりにくい子というのは何が違うのでしょうか?
・ 生まれつき歯の質が強い
・ だ液の性質が良い
・ 甘いモノをあまり食べない
・ 食べ方やその後の処置が良い
おそらくこの4つのどれかにあてはまるのだと思います。
前2つの生まれつきの性質は変えようがありませんが、後者2つは努力することで変えることができます。
甘いモノばかり食べず野菜などもしっかり食べて、偏食しないようにすること。口に物を入れたら、かならず歯みがきをするようにすれば、「むし歯になりにくい子」になります。