歯学博士の「歯」と「身体」のお話
有床義歯を装着している人の歯みがき方法について
一般に義歯(入れ歯)を大きく分ければ、取り外しのできる有床義歯と、固定式のブリッジ(橋)とに分かれます。
今回は有床義歯について説明します。
一本も自分の歯がないのは総義歯(総入れ歯)と言います。一本でも自分の歯がある人は、部分(局所)義歯と言います。
上のアゴが総義歯で、下のアゴは部分義歯という人もありますし、その逆の人もあります。また、上下のアゴともに一本も自分の歯がない場合もあります。
歯みがき方法については、流水で普通くらいの硬さの歯ブラシで、上下左右に丁寧に磨いてください。少量の歯磨き粉を使ってもよいです。また、必要に応じて義歯清掃剤を使用してもよいです。
歯磨き粉を使用した場合、指が滑りやすいので、義歯を流し口に落としてしまったり、落としたことによる破損にも注意してください。
残存している天然歯がある場合は、その歯は必ず磨いてください。
部分義歯の鉤(バネ)の周りに磨き残しが多いので、忘れずに磨いてください。
最後に注意事項としては、強い力でごしごし磨いてはダメです。義歯が磨耗してしまいます。少し力を抜いて、ゆっくり磨いてください。