歯学博士の「歯」と「身体」のお話
歯周病と全身疾患
歯周病が全身状態に悪影響を与えると同時に、全身状態も歯周病に影響を与える。
歯周病は、慢性の感染症であるので、炎症性サイトカインを除去することで糖尿病の進行を阻止する可能性がある。
口腔清掃、歯石除去、ルートプレーニング(歯と歯ぐきの間にできてしまった溝にたまった歯石を取り除くこと)、歯周外科手術等を行い、口腔内の炎症産物を除去することが重要で、基本的にはブラッシング、歯間ブラシなどを使用し、さらに必要であれば薬物療法※でプラーク細菌の除去を行うことが、全身疾患への予防となり、口腔のみならず、全身の健康に寄与するものと思われる。
※ 一部の歯科医院で「歯周内科(歯周病内科)」として、薬の処方が行われています。
糖尿病の予防は、食事・運動・薬物療法の中で、規則正しい生活リズムを作る自己管理が必要であるが、これらは糖尿病のみならず歯周病においても同様で、自助努力が最大の目標である。
「歯槽膿漏病」はドイツ語の訳であり、現在は英語の訳の「歯周病」が使われています。
参考文献:日歯広報 2007年8月5日